マウント撃退:パワハラ、モラハラに負けないためには?

もぐが語る!障害者就労ノウハウ

パワハラ、モラハラ、マウントされないために

もぐ
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マウントされやすいタイプの方は、謙虚で低姿勢な方が多い印象です…

実るほど頭が下がる稲穂かな

という言葉にもあるように、人格者ほど謙虚な態度でいらっしゃる印象がありますよね。

そのため、真面目で謙虚な方ほど、他人に対して偉そうな態度を見せず、優しく丁寧な接し方を心掛けていると思います。

でも、自分に対してマウントを取ってくるような相手に対しても、謙虚な姿勢を心掛けようとして低姿勢な態度を取っていると、

こいつは舐めてもいいな

と判断されて、マウントされてしまいます。

人を馬鹿にする人間になるくらいなら、馬鹿にされる人生の方がいい

といった趣旨の言葉を聞いたことがありますが、確かに馬鹿にするような人間にはなりたくないものですが、といって、自分のことを馬鹿にしてくるような相手をそのままにしておくのも問題です。

もぐ
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自分だけじゃなく、どんな人でも、当たり前のように馬鹿にされてよい人なんて、いませんよね?

でも、マウントを取られがちなタイプの人は、何らかの原因があったらマウントを取られても仕方がないという考えの癖があるように思います。

例えば、

思考の癖
×仕事ができない人は、仕事ができる人にマウントを取られても仕方がない

×他人に迷惑を掛けたら、迷惑を掛けてしまった人にマウントを取られても仕方がない

×養ってもらっているから、養ってくれている人にマウントを取られても仕方がない

×障害がある人は、健常者からマウントを取られても仕方がない

×空気が読めない人は、空気が読める人からマウントを取られても仕方がない

もぐ
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でも、「公然と馬鹿にされてよい人なんていない」ですよね?

「仕事ができない」人と出会ったとき、

おいおい、しっかりやってくれよ!

と「マウントを取る」という選択をする人もいれば、

大丈夫?慣れないとミスしちゃうよね。少しずつやっていこうね

と「優しく励ます」という選択をしてくれる人もいますよね。

つまり、何らかの原因があったとしても、相手がマウントを取るか、取らないかは、相手の人間性などに託されている選択なわけで、上記の例のように、「仕事ができない」という要因があれば、マウントを取られても仕方がないというわけではないのです。

でも、これまでの人生の中で、何か理由があれば、当然のようにマウントを取られてしまうという経験を重ねてきた人は、

何かあればマウントを取られても仕方がない

という考えに基づいてビクビクしながら過ごすことになってしまいます。

ここで、みなさんに思考の癖を修正し、新しい信念として大切に持ってもらいたいのが、

マウントされてよい人なんていない

という考え方です。

「何か迷惑をかけて相手に謝ること」は対等な関係であっても起こりうる自然な行為です。

ただ、必要以上に、まるで相手の家来かのように、「すみません、すみません」と謝るのは、自分から相手の下に入るような行為で、マウントを誘っているようなことになりかねません。

逆に言えば、これまでマウントを取られていて悔しかったので、何かの勝負に勝って優位な立場になったとしても、マウントを取り返そうと考えてはいけません。

「(自分も他人も)マウントされてよい人なんて誰一人いない」

からです。

マウントを取られることを防ぐ一方、自分自身も相手に対して、何かの理由でマウントを取ることを止める。

この覚悟と心構えを持って、「マウントを取る、取られる」という「マウント地獄」から抜け出してください。

マウントとは仏教的な考えで言うと「慢」

もぐ
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ここからは仏教の知識も踏まえてお話させてください

「マウントを取る」とは、仏教的な考えで言うと「慢」と言います。

誰もが持つ煩悩の一つで、人を侮るという心です。

仕事が出来る上司が、ミスを繰り返す部下に対して、

上司
上司

あいつはミスばっかりでダメ社員だな

と侮る。

これは「慢」です。

でも、一方で、ミスを繰り返して失敗を重ねる部下もまた、上司に対して、

部下
部下

あの上司は仕事はできるが、何か挫折したら、すぐに折れてしまうだろう。その点、私はミスも多いが、その分、踏まれても踏まれても折れずに雑草のようにたくましく生きてきた。できない人の気持ちもわかる。あいつには人の痛みはわからんだろう…

と、仕事のできる上司に対して、自分のことを卑下しながらも自惚れて相手を見下す。

これを仏教では、「卑下慢」といい、これもまた、人を侮るという行為です。

このように考えた時、実は、立場が上に見える人も、下に見える人も、心の奥底で「慢」の気持ちがあり、相手に対して、心の中でマウントを取っているものだと分かります。

つまり、「マウントを取る」という行為は、一見、強い立場の者だけが持っている課題ではなく、誰もが持っている煩悩だと理解することが出発点になります。

そう考えた時、自分も他人も、この「慢」という気持ちに打ち勝つことが大切と言えます。

人類の共通の課題である「慢」を退治する気概を持って、「マウントを取る」ことに対して立ち向かっていく精神を持つことが必要なのです。

マウントを防ぐための考え方

さて、では、「マウントを取る」という行為を防ぐためには、どうすれば良いのでしょうか。

例えば、職場でマウントを取られないためには、完璧に仕事をすればよいのでしょうか。

それとも、馬鹿にされないように普段から強気な態度で人に接すればよいのでしょうか。

もぐ
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どちらも現実的ではありませんよね…

仕事を完璧にしようとしても、ミスはゼロにはできません。

普段から強い態度で接していると、人から偉そうな人だと思われて嫌われてしまうリスクもあります。

特に、発達障害と言われる方々は、特性上ミスが生じやすかったり、どうしても他人より仕事の面で勝ことが難しいケースも多いので、「圧倒的な仕事力を身に付けてマウントされないようにする」という考え方は、無力感を抱かせるだけのアドバイスと言えるでしょう。

そこで、オススメしたいのは、

チェックポイント

マウントを取られた時だけ態度を変える

という手法です。

もぐ
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普段は優しく謙虚な態度で振舞ってOKです

ですが、そんな穏やかな態度に甘えて他人が失礼な態度を取った場合は、盾で相手の攻撃を弾くように相手のマウントを静止するのです。

もぐ
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ここがマウントを取られないための大変重要なポイントです

マウントを取られてしまう人の多くは、他人から少し失礼な態度を取られても笑って許してあげたり、批判的な言動を言われたり、ミスした時に必要以上に、

すみません、すみません…

と謝ってしまって、相手に「慢」を発動される機会を作ってしまっています。

そして、失礼な相手にマウントを取られ過ぎて、

さすがに許せん!

という我慢の限界に達してからキレてしまったりするので、関係が壊れてしまい、人間関係がギクシャクしてしまうのです。

しかも、基本、良い人なので、キレてしまった後に反省して、

あの時はすみませんでした…

という態度で接してしまうので、キレられた相手は、完全に上から目線で、反撃をしてくるようになります。

もぐ
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こうなってしまうと、パワハラ、モラハラされ放題になってしまい、手が付けられません…

こうならないためには、少しでも失礼なことを言われたり、批判的なことを言われた時には、すぐさま相手の「慢を静止すること」が必要です。

マウントを防ぐ方法

具体的な方法としては、下記の通りとなります。

慢を静止する態度について
■少し失礼なことを言われた場合
・(笑いながら)「おい、コラ!」「言い過ぎでしょ?」「馬鹿にしてる?」という態度で突っ込む

■少し批判的なことを言われた場合
・(いつものにこやかな)笑顔は消し、真顔になる
・(慌てて言葉を返すことなく)ゆっくりと落ち着いて自分の考えを伝える

批判的なことを言われた時、100%自分が悪いと感じて動揺してしまう傾向がある人は、

・本当に自分だけが問題なのか?
・自分以外の人にも何かできることがなかったのか?
・そもそも批判的なことを言われるほどの問題なのか?

といったことを考えてください。
「確かにそういう考え方もあるが、私はこう思います」
など、相手の意見を落ち着いて受け止めつつも、自分の意見もきちんと伝えてください。

絶対に「すみません、すみません」の平謝りは避けてください。
自分の考えを落ち着いて返すようにしてください。
ここで焦って平謝りしたり、何も意見を返さないと、「何も考えていない奴だな」と誤解され、相手の「慢」を増長させる結果になってしまいます。

このような「慢を静止する」態度を出して、相手の「慢」を静止します。

一方で、相手が「慢」を引っ込めたら、こちらもいつもの笑顔に戻ります。

あくまで、相手の「慢」を静止するためだけに、上記のような態度を出します。

この「慢を静止する態度」を自分の中で持っておいて、相手の「慢」が自分に向いたら、すぐにこの態度で静止します。

もぐ
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これができるかどうかで、マウントを取られるかどうかが決まります

普段は盾をしまっておいて、自分に対して攻撃が向いた時だけ、咄嗟に盾を取り出して防御するようなイメージです

もぐ
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どんなトークで相手のマウントを防ぐかについては、時間を作って自分なりに自然な「カウンタートーク」を研究しておくことをオススメします。

もちろん、自分が仕事上でミスをして、それを穏やかな言い方で指摘されただけなら、「申し訳ありません」と謝って改善する必要があります。

このように冷静にミスを指摘されたケースの場合、相手の「慢」は見られないと思いますので、こちらとしても、「慢を静止する態度」を出す必要はありません。

ただ、相手が、

ちょっとミス多くない?

といった批判的な言動や態度を出してきたら、「慢を静止する態度」を発動するタイミングです。

「すみません、すみません」

といった態度ではなく、

「はい。気を付けます」

と、落ち着いた態度で、

「ミスは謝るけど、それを理由に卑屈な態度は取らないぞ」

といった気持ちで、相手の「慢」を刺激しないようにしてください。

確かにミスは是正されなければなりません。

しかしながら、そのミスを理由に相手が「慢」を出すことを許してはいけません。

ミスをした手前、気持ち的には平謝りしたい気持ちの方もいるかもしれませんが、我慢してください。

「どんなことがあっても、自分は公然と馬鹿にされてよい人間ではない」

と強い思いを持って相手の批判を静止してください。

そもそも、何か失敗をしてしまった場合、本当に自分だけが悪いケースは少ないです。

確かにミスをしたのは、自分だけど、他の人がダブルチェックしていれば防げたかもしれないし、本当に100%自分だけが悪いケースというのは多くないと思います。

マウントを取られてしまうタイプの人は、自責タイプが多く、何か問題が起きた時に、自分を責めがちです。

もぐ
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もともとの性格で意見を返すのが苦手だったり、幼少期に親から批判されることが多かったり、いじめのトラウマだったり、色々な経緯はあると思います…

でも、相手の「慢」を静止しないで、その「慢」に流されて自分で自分を責めてしまっては、簡単にマウントを取られてしまいます。

何か問題が起きた時というのは、自分の責任の時もありますが、他人にも責任があったり、環境のせいだったり、あるいは、そこまで大した問題じゃないケースもあります。

それなのに、

「すべては私の責任でございます」

「私はダメダメでございます」

といった態度を見せてしまうと、相手も、

あ、こいつが全部悪いんだ!

と勘違いして、自らの過ちに気づかず、相手の成長の機会まで奪うことになりかねません。

また、自分だけが責任を取らずに全体的な視点で考えたら、個々の責任以外に環境面や仕事フローの課題など、何か他に建設的な改善案が出てくるチャンスかもしれないのに、自分だけが「すみません、すみません」と謝り続けた結果、本質的な問題に気付かず、会社にとっても良くない結果にもなりかねません。

普段は笑顔で他人に優しく謙虚な態度で構いません。

もぐ
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ですが、相手が人間の煩悩のひとつである「慢」を出して来たら、こちらも、「慢を静止する態度」を発動させ、すぐさま相手の慢を止めようではありませんか!

これまで、

「何か劣ることをしてしまったら、マウントを取られても仕方がない」

という考えによって、自身をマウントから守ることをしてこなかった方。

今後は、下記の「心の盾」を掲げて、相手のマウントから自身の心を守ってください。

心の盾

公然とマウントされてよい人なんていない

以上、マウントされないための考え方についてお伝えいたしました。

マウントで悩まれていらっしゃる方へ

もし、今もマウントされて大変で、直接ご相談されたい方は、下記よりお問い合わせください。

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