障害者雇用の『面接が落ちる』理由について業界のプロが徹底解説!

もぐ
こんにちは!もぐの障害者雇用の「もぐ(@yotchanchi)」だよ!
障害者雇用業界で就職支援・転職支援に携わる中、障害者枠の面接で落ちてしまうケースについて解説するよ!
一般枠と障害者枠の面接のポイントは異なる
まず、障害者枠の面接で落ちてしまう人の大きな特徴として、「一般枠の面接と同じような感覚で障害者枠の面接にものぞんでしまう」というものがあります。

もぐ
私は一般枠も障害者枠も両方の面接対策に携わってきた経験がありますが、一般枠と障害者枠の面接のポイントは大きく異なります。
一般枠と障害者枠のポイントの違いが分からず、面接当日を迎えてしまうと面接でかなり苦戦することになります。
また、一般枠の求人より、障害者枠の方が選考通過しやすいと考える方が多い印象がありますが、それも逆です。

もぐ
むしろ一般枠の面接に比べて特別な対策が必要な分、難しい面接と言えるでしょう。
このような前提を踏まえた上で障害者枠の面接で不採用になる理由について解説します。
障害者枠の面接で不採用になる理由17選
- ①障害特性や障害の症状について説明できない
- 障害者枠の面接で自身の障害の特性や症状について説明ができずに見送りになる方もいます。中には特性や症状を説明することに抵抗感があり、障害について聞かれると感情的になってしまう方もいます。この場合、障害理解に乏しいという判断となり、見送りになる恐れが大変高いです。
- ②障害特性や障害の症状に対する対処策の説明ができない
- 障害特性や障害の症状について説明が出来ても、その特性や症状に対する対処策(自助努力)について説明できない方もいます。配慮だけを依頼し、自分の対処策が説明できないと、自身の障害に対する理解が乏しいと判断され見送りとなる恐れが高くなります。
- ③障害に対する対処策の実効性があやしい
- 例えば、「口頭での長い説明の場合でも、メモを取って理解するように努めています」と対処策を説明した際に、面接官から「本当に口頭で説明されてもメモを取って対処できているのですか?」「どんなふうにメモを取っているんですか?」などと深堀されると、うまく答えることができず返答に困ってしまう。そうなると面接官から「対処策に効果が無さそうだな…」「その場限りの返答をしているだけかな…」と思われてしまい、障害に対する対処策が不十分だと見なされ、見送りとなる恐れが出てきます。
- ④障害特性や障害の症状に対する配慮事項の説明ができない
- 「障害に対する配慮は特に必要ありません」「障害があるということだけ知ってもらえれば大丈夫です」と答える方がいますが、障害者枠では見送りになります。なぜなら、本当に障害があることを知っておいてもらえるだけで問題ないのであれば、障害者枠で障害を開示して働く必要性がないからです。あるいは、障害があることを知っておいてもらえれば適切な配慮を受けられると考えているのであれば、それこそ障害に伴う困難さに対する対処策が確立できていない恐れが高いです。障害に対する苦手感がある中、それに対して「自分ができること」「相手にお願いしたいこと」を整理して説明できることが障害理解の高さを示します。自分に出来ることだけで対応が出来ているなら一般枠でも就業が可能でしょう。一方で、障害者枠を希望するなら、相手にお願いしたい配慮があるのが自然です。「障害があることを知っておいてもらえたら大丈夫」という説明の仕方では、「障害名しか伝えないが、上手に配慮してほしい」とも取れる説明の仕方となり、面接官からすると「障害理解が浅いから、具体的に説明できないのだろう」と見なされ、見送りになってしまうのです。
- ⑤障害に対する配慮内容が重たい
- 障害配慮について具体的に説明できたとしても、受け入れる企業にとって配慮が困難だと採用を躊躇することがあります。例えば「障害特性によりケアレスミスが多いため、毎回ダブルチェックをお願いします」と配慮をお願いした場合、受け入れる配属部署の社員からすると、「自分の仕事をしながら、毎回毎回ダブルチェックするとなるとしんどいなぁ」と思うのが自然です。そこで、配慮の範囲を絞って「社外に提出する重要書類についてはダブルチェックをお願いできますでしょうか」とサポートを依頼する範囲を限ることで企業側の負担を軽減させる姿勢が求められています。このような説明ができれば企業側も配慮が可能となり、選考通過率が上がることにつながります。
- ⑥障害の開示範囲について説明できない
- 障害者枠で働くということは、障害の開示とセットで配慮を受けて働くということです。そのため、障害の開示範囲について確認されたら、「基本的に皆さんにオープンで構いません。特に業務上で関わる方には周知ください」とお伝えいただく方が良いです。逆に、「できる限り開示の範囲を限りたい」といった要望をしてしまうと適切な配慮が難しくなり、また、そのような要望を出すこと自体が「障害受容が足りない」と懸念され、見送りの恐れが高くなります。
- ⑦就労意欲があることを説明できない
- 「なぜ働きたいと考えているんですか」といった質問に対して、「自立した人間になりたい」「社会で役に立ちたい」「成長したい」「働く仲間がほしい」など、働く理由を説明できる人は就業意欲を感じることが出来ますが、「家族から言われて…」「就労移行支援に通所していて、就職を目指さないといけないから」といった主体性が見られない方は、面接では厳しい評価となります。面接にのぞむ前に「なぜ自分は働きたいのか」「働いて何を得たいのか」について整理しておくことが大切ですね。
- ⑧体調安定の根拠を説明できない
- 「いま離職中ですが、就職してからの体調管理は大丈夫ですか」と面接官から聞かれた時に、体調管理に問題ないことを根拠を持って説明できるかは大切なポイントです。「運動習慣」「リフレッシュ習慣」「生活リズムを整える」「定期通院と服薬管理」「就労移行支援への通所」など、何か具体的な根拠を持って説明できることが求められます。単発的な運動ではなく、習慣になっているか。服薬調整中ではなく、半年以上など一定期間同じ服薬内容で安定しているか等、面接官が気にするポイントがありますので、きちんと説明できるように準備しておきましょう。
- ⑨職場のコミュニケーションでトラブル懸念がある
- 入社後のトラブルとして懸念されるのが、社員同士のコミュニケーショントラブルです。せっかく社内のメンバーが定着しているのに、新たに入社した社員とぶつかって問題が起きてしまっては大変です。そのため、面接ではこれまでの経歴を確認しつつ、対人対応の傾向を探ろうとします。そのような中、「前職について批判的に話す」「上司に対する怒りを示す」「周りのことを気にし過ぎて体調を崩したことがある」など、コミュニケーション上のトラブルを想起するような傾向が見受けられると、見送りになる恐れが高まります。人間関係で困ったことがない人は居ないと思いますが、困った時に誰か信頼できる人に相談して対処してきたエピソードなど、対応策を説明できるようにしておく必要があります。
- ⑩求人票の仕事内容についてネガティブな発言をしてしまった
- 例えば、求人票の業務内容の中に「データ入力」の業務があった場合に、「データ入力が多く、単調な作業が続くことも多いですが、大丈夫ですか」と聞かれた際に、「そうですね。単調な作業が続くのは苦手です」と答えたために見送りになったケースがあります。言い方を変えて、「単調作業の場合は、小休憩を入れることで集中力が途切れず対応が可能です」と答えることが出来れば、面接官からネガティブに思われる可能性を軽減できます。面接の前にあらかじめ求人票を読み込んでおいて、想定質問をもとに答え方の対策をしておくと安心ですね。
- ⑪第一希望と言わなかった
- 面接官から「第一志望ですか」と聞かれた際に「第一志望じゃないのに嘘を付いたら迷惑になるかな…」という考えから、「まだ迷っています」など、曖昧な回答をしてしまう方がいますが、面接では基本的に「第一志望です」など志望意欲の高さをアピールするのが鉄則です。正直に第一志望ではないことを答えてしまうと見送りになる恐れが高まります。その時点で第一志望でなくとも、転職活動を進める中で、他の会社が落ちて、結果的に第一志望に繰り上がることもあり得るので、面接で志望順位を聞かれたら、「第一志望であること」と、その理由を答えられるように用意しておくことは、面接時のマナーとして心得ておきましょう。
- ⑫転職理由が他責的
- 経歴に関する質問でよく聞かれるのが、「転職理由」ですね。転職理由はその会社を辞めた理由ですので、一般的にはネガティブな内容であることが多いです。ただ、面接でそのまま素直にネガティブな理由を伝えてしまうと、マイナスな印象を与えてしまいます。特に、パワハラなど刺激的な発言を行うと、「うちに入社してからも、何かトラブルを起こす人かもしれない」と誤解を与えることにつながりかねません。本当に上司とぶつかって辞めた場合でも、上司のみを責めるのではなく、「今振り返れば、自分も未熟でした」と省みるなど、反省している姿勢を見せることで、他責的な印象を防ぐことができますので、説明の仕方に注意してくださいね。
- ⑬休職期間や療養期間を経て何が改善したか説明できない
- 休職期間や療養期間というのは、心身を休める期間ですが、その過ごし方について「意味のある期間だった」と説明できるように整理しておくことは重要です。休職期間の前半は完全な療養期間となるケースが多いと思いますが、後半からはリワークに通ったり、通院を通じて認知療法を学ぶなど、体調を回復し復職等につながった要因について説明できないと、「また休職してしまうのでは?」と懸念され、見送りとなる恐れが高まります。休職期間を経て、どのような取り組みを行い、障害理解が深まり、体調安定につながったのか。説明準備をしておきましょう。
- ⑭表情が固かったり、服装や身だしなみなどビジネスマナーに欠ける
- 障害者枠も一般枠同様、笑顔やビジネスマナーが重視されます。自分の表情というものは、なかなか客観視することが難しいので、第三者の誰かにチェックいただき、助言いただくことをお勧めします。
- ⑮「大丈夫です。頑張れます」と精神論しか話せない
- 障害に関する配慮を確認しても、「大丈夫です!」「頑張れます!」と答えて気合で乗り切ろうとすると、根拠がないので面接官から懸念されます。障害者枠の面接では、根拠を持って説明できるかどうかが問われます。根拠なく、精神論で「大丈夫です」と答えてしまうと、障害に対する対処策がなく、障害理解が低いと判断されるリスクがあります。
- ⑯面接官が知りたいことではなく、自分が話したいことを長く話してしまう
- 面接では、面接官が知りたいことを答えることが大切です。自分が説明したいことをありのまま話すだけでは、どうしても話が長くなり、面接官の印象も良くありません。面接官に聞かれたことに端的に結論から答えて、その後に根拠や具体例を説明するように心掛けてください。
- ⑰企業側の障害理解や受入実績がない障害のため、懸念されて見送り
- 面接対策を一生懸命行っても、採用する企業側が障害に対する理解がなく、ある特定の障害種別に抵抗感がある場合、面接での受け答えに問題がなくとも、結果的に「受け入れノウハウのない障害だから」という理由で見送りになってしまうことがあります。これは企業側の課題であり、求職者側としては、何ともしがたい状況ですが、一定数こういった事情による見送りがあるということは理解しておく必要はありますね。

もぐ
以上、障害者枠の面接で落ちてしまう理由17選について解説したよ。障害者枠の面接合格のヒントになれば嬉しいです!
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