
こんにちは!障害児育児をきっかけに障害者雇用業界に転身した「もぐ(@yotchanchi)」だよ!
面接対策に関するコラムやノウハウ本って多数ありますけど

それって、一個人の感想じゃないの?

独りよがりで根拠が弱いよね…?
って思うこと、ありませんか?
そこでこちらの記事では、名著と呼ばれる書籍を根拠に、自身の面接官としての視点を加えて考察してみたいと思います。
「人を動かす」から面接対策のヒントを得る

今回は「コミュニケーションに関する最高の古典」ともいうべき超ロングセラー、「デール・カーネギー」の名著「人を動かす」から、障害者雇用における面接対策のヒントを考察していくよ。
面接対策につながるヒントも満載だけど、純粋にコミュニケーション力を向上させる上で必読書なので、読んだことがない人は絶対読んでもらいたいオススメ書です。
私自身、何回も繰り返し読んできた「読めば読むほど味が出る」良書です。
人を動かす三原則
盗人にも五分の理を認める
われわれは他人からの賞讃を強く望んでいる。そして、それと同じ強さで他人からの非難を恐れる。
出典:人を動かす D・カーネギー (著), 山口 博 (翻訳)

過去の転職理由を伝える時、「パワハラがひどくて…」「会社の社風が合わなくて…」など、会社の批判を言ってしまいたくなりますが、会社批判はリスクが高いのでオススメ出来ません。
企業の面接官が転職理由を聞く場合、「弊社に入社してからも同じ理由で辞めたりしないか?」という点で確認する意図もありますが、「ネガティブな見方をして入社後に文句を言ったりする人物ではないか?」という視点でも判断しています。
例えば、退職理由が上司によるパワハラだったとしても、それを批判的に面接官に伝えてしまうと

本当にパワハラだったのかな…。被害妄想の強いタイプでうちに対しても非難してきたらどうしよう…
と懸念を持たれてしまう恐れがあります。
そのため、できれば会社の批判に聞こえない理由を選んで説明できると安全です。
「〇〇に挑戦したくて」
「契約満了による退職です」
「家族の介護で止む無く退職しました」
これらはあくまで例ですが、これまでの会社を批判するような理由は避けて説明できるように準備しておくことが大切ですね。
重要感を持たせる
人を動かすには、相手のほしがっているものを与えるのが、唯一の方法である。人は、何をほしがっているか?(中略)人間の持つもっとも根強い衝動は、”重要人物たらんとする欲求”だ(後略)
出典:人を動かす D・カーネギー (著), 山口 博 (翻訳)

面接官も承認欲求を持っている一人の人間。候補者が面接官から良く思われたいのと同様、面接官も候補者から良い人だと思われたいものです。
面接に合格するためには、面接官から「会社の一員として一緒に働きたい」と思ってもらえることです。
では、どうしたら、「一緒に働きたい」と思ってもらえるのか。
その答えは、「面接官の承認欲求を満たすこと」です。
面接官は、面接の中で候補者の経歴やスキル、人柄などを慎重に判断しようとします。
と同時に「自分は面接官として問題なく面談できているだろうか」と気になってくることもあります。
案外、面接官の方も

次はどんな質問をしたら良いかな…。最後に候補者から質問を受けた時にうまく回答できるかな…。
のように緊張しているケースもあります。

自分は面接官としてうまく対応できているかな?
なんて思いながら面接官を担当している社員もいます。
ですので、面接官である自分の説明や考えを一生懸命うなづきながら聞いてくれる候補者には嬉しくて良い評価を与えがちです。
ポイント
・障害者雇用に関する会社の方針
・障害者雇用を推進する上でこれまでに注力してきたこと
など、面接官が熱を持って話したくなるような質問をして、そんな話を真剣に聞いてみてください。
できれば
メモをお取りしてもよろしいでしょうか?
と一言そえると最高です。

きっと、「もちろんいいですよ」と笑顔で答えてくれて、面接官も気持ちを込めて話してくれると思います。
面接では、うまく話すことばかりに気を取られがちですが、実は面接官の気持ちをつかむには、「聞く力」が求められているんです。
一生懸命に話をして熱意を見せるより、「一生懸命に面接官の話を聞いて面接官の採用したい気持ちを引き出す」ことが求められているのです。
面接官によって話したい話題は変わってくると思いますが、もし、面接の中で面接官が熱を持って話し出したら、メモを取り出して一生懸命聞くようにしてください。

面接官は自己の重要感を満たされ、候補者に好印象を持ってくれることと思います!
人の立場に身を置く
人を動かすには、相手ののぞむことがらを考えて話すよりほかに方法はないと悟っていた。
出典:人を動かす D・カーネギー (著), 山口 博 (翻訳)

面接を行うと、候補者自身が話したいことを延々と話してしまう候補者が多いです…
面接官が面接で聞きたい話とは何でしょうか?
それを考える上で大切なのは、「面接とはそもそもなぜ行うのか?」ということです。
書類選考だけで判断せず、面接を実施してから採用を決断するのは
面接しないと払拭できない不安があるから
です。
例えば、結婚相手を決める場合、顔写真と経歴書だけで結婚を決めるでしょうか?
やはり、お見合いをして顔を会わせて、お互いの価値観などを確認して、合わない相手じゃないか確認しようとしますね。
そして、会ってみた感触で「良さそうな人だな」と感じれば、交際に向けて前向きに進むと思います。

面接もこれと同じです。
経歴書だけでは分からない、会ってみて確認したい不明点や不安な点があるから面接をするわけです。
では、面接官は何を不安視しているのか?
それは、会社にとって必要な労働力を持っている人かどうか?
ということです。
会社にとって必要な業務スキルや経験を保有している人かを確認して、必要な能力を持っている人であれば採用したいと考えているわけです。
しかしながら、面接に参加する候補者の方は自分本位に考えている人も多いので、自分の希望や自分のやりたい業務の話を中心にしてしまいがちです。

私はエクセルが得意です。エクセルを使った表作成が出来ますし、関数の知識もあります。
例えば、こんな話をされたとしても、企業側が求めている労働力が、「クレーム対応を任せられるコミュニケーション能力のある方」を優先的に採用したいとかんがえていたら、エクセルの能力は面接官の心に響くでしょうか。
おそらく、あまりPRにはならず、面接官の感触も

相手目線ではなく、一方的に自分の希望を話されるなど、自分本位な人物だった。
という印象になってしまうでしょう。
こういった事態を防ぐためには、何に気を付けたらよいでしょうか?
ポイントは、「相手の立場に立って相手が求めるものを考える」ということです。
自分がやりたいことではなく、企業側の窓口である面接官がどんな労働力を持っている人材を求めているか。
そのヒントは「求人票」に書いてあります。
求人票のチェックポイント
求人票の項目には、「職務内容」「就業時間」「応募要件」など、企業が求める労働力のヒントが記載されています。
そのまま答えが載っていることもあります。
自分がアピールしたい強みを考える前に、今度受ける企業の求人票の中にどんな情報が載っているかを確認して、相手がほしがっている労働力を考えてみましょう。
業務内容の中身に「営業職のサポートとして、お客様との調整や営業不在時の電話対応」等が記載されていれば、電話対応スキルや、ビジネスマナー、お客様との調整力が求められていることが分かると思います。
場合によっては、エクセルを使用しての資料作成能力も求められるかもしれませんが、求人票にそういった記載がないのであれば、まずはコミュニケーションスキルや、ビジネスマナーの知識があることを説明した方が面接官の心には響きやすいでしょう。
自分の労働力のアピールは、プレゼントを贈るのと似ています。
大切な人に喜んでもらいたいプレゼントを考える時
①相手の好みは考えずに自分が贈りたいものを贈りますか?
②相手の好みを踏まえて相手が欲しがっているものを贈りますか?
おそらく、相手が喜んでもらえる確率が高いのは、②の贈り物ではないでしょうか。

面接で説明すべき内容も同様です。
自分が伝えたい強みではなく、面接官が欲しがっている強みを説明しましょう。
そのためには、面接を受ける企業の求人票や企業HPなどをチェックして、相手が欲しがっている労働力は何なのか調べて考えておく(仮説したり、推測する)必要があります。

これが本当の企業研究だと言えるでしょう。
人に好かれる六原則
誠実な関心を寄せる
ハワード・サーストンといえば、有名な奇術師だが(中略)サーストンは、人間に対して真実な関心を持っている。(中略)舞台に立つときは、彼はいつもこう考えるというー「わたしの舞台を見にきてくださるお客さまがいるのはありがたいことだ。おかげで、わたしは日々を安らかに暮らせる。私の最高の演技をごらんにいれよう。」
出典:人を動かす D・カーネギー (著), 山口 博 (翻訳)

面接を受ける時、候補者はできるだけ面接官から見て「優秀な人間に見えるように」振舞おうとするものです。
できるだけ良い人に見せたい。
それが人間の心情だと思います。

ただ、面接で自分を良いように見せようと思っていると緊張感が高まり、かえってしどろもどろになってしまったり、頭が真っ白になってしまうこともあります。
ここで、面接にのぞむ心構えとしてオススメしたいのが、「感謝の気持ち」を持ってのぞむことです。
何に対する感謝か?
それは、「面接官が自分のために時間を割いてくれたこと」に対する感謝の気持ちです。
面接とは、面接官と候補者が対等の立場で会話をする前提ですが、候補者は企業に労働力を売る側であり、企業は労働力を買う側です。
面接は自身の労働力に関するプレゼンテーションを聞いてもらう場で、いわば売り込みです。
人事も忙しい中、書類選考で見送りにしないで、自分の話を聞いてくれる機会を設けてくれた。
自分に対して興味を持ってくれたことに感謝の気持ちを持って面接にのぞむことが大切です。

そして、そんな自分に興味を持ってくれた面接官に対し、最高のプレゼンテーションを心掛けましょう。
最高のプレゼンテーションとは、「面接官にとって分かりやすい説明」を行うことです。
チェックポイント
✓自分の経験やスキル、そして障害に関することを分かりやすく説明しましょう。
✓せっかく話を聞いてもらえるチャンスをもらったお礼に、自分の魅力や特性について分かりやすく説明できるように準備しましょう。
✓面接という機会を設けてくれた面接官へ感謝を示しましょう。

忙しい中、自分のために時間を割いてもらえた。ありがたいなぁ。面接官は自分の障害のことは分からないことも多いかもしれない。今日の面接では面接官に自分の障害特性や自助努力について一生懸命分かりやすく説明して理解してもらおう!
このような心持ちで面接にのぞめば、「自分を良く見せよう」と思って面接に参加するより、きっと自然な笑顔で和やかな雰囲気の中、自身の障害特性について説明することができるのではないでしょうか。
自分のことを一方的に良く見せようと頑張るのではなく、相手のことを考え、相手にとって分かりやすい説明とは何かを考える。

このような姿勢で面接にのぞむことができれば、良い雰囲気の中、会話が弾むことと思います。
笑顔を忘れない
動作はことばよりも雄弁である。微笑はこう語るー「わたしはあなたが好きです。あなたのおかげでわたしはとても楽しい。あなたにお目にかかれてうれしい」。犬がかわいがられるゆえんである。われわれを見ると、犬は喜んで夢中になる。自然、われわれも犬がかわいくなる。
出典:人を動かす D・カーネギー (著), 山口 博 (翻訳)

面接では第一印象が大切だとよく言われますね。
実際、面接で最初の挨拶で抱いた印象は大きく、話の内容と同じくらい候補者の表情は面接官への心象に影響を与えます。
自閉スペクトラム症(ASD)の方や、ASDの傾向がある候補者に多いのですが、表情が固く、話しにくい印象を持たれがちです。
面接官から

話しにくいな。障害について質問しても大丈夫かな…
と思われてしまうと、面接官の不安や不明点を解消することが難しく、消化不良な面接になりかねません。
笑顔で挨拶を行い

本日は面接の機会をいただきまして、ありがとうございます!
と感謝の気持ちを伝えてみてください。

面接官も候補者に良い印象を持ち、障害に関する質問もしやすく、結果、障害に対する配慮事項についてもお話ができ、お互いにとって良い情報共有の機会となるかと思います。
名前を覚える
たいていの人は、他人の名前をあまりよく覚えないものだ。いそがしくて、覚えるひまがないというのが、その理由である。(中略)人に好かれるいちばん簡単で、わかりきった、しかもいちばんたいせつな方法は、相手の名前を覚え、相手に重要感を持たせることだ(後略)
出典:人を動かす D・カーネギー (著), 山口 博 (翻訳)

社名を間違えたことで起きてしまった悲劇についてお話します…
これは実際にあった話ですが、複数回の面接を通過し、とうとう最終面接まで進んだ候補者が残念ながら見送りになってしまいました…。
理由は「相手の社名を間違って気付かないまま連呼してしまった」からなんです。
最終面接は役員など責任者に顔見せを行い、「配属部署としてはOKなので、稟議を通す上で責任者に最終確認をしてもらう場」という意味合いであることが多いです。
そんな、ほぼ合格が見えている段階でも、相手企業の名前を間違って連呼したことで相手の気分を害してしまい

本当に第一志望だったら社名を間違えるはずがない…
という疑念から不合格になってしまうことがあるのです。
候補者の立場からすると、何社も企業を受ける中、誤って企業名を覚えてしまったり、うろ覚えになることもあるかもしれませんが、面接を受ける前に相手の社名について正式名称で覚えておくようにしましょう。
逆の立場で考えた時、もし最終面接で面接官が自分の名前を何回も間違えて連呼してきたら

自分のことをあまり大切に思ってくれていないのかな…。そもそも、障害者の採用について真剣に考えてくれていない会社なのかも…。
と思って志望意欲が下がってしまいますよね…。
企業もまた同じです。

相手の名前はとても大切な情報です。基本的なことですが、この基本情報を正確に覚えることができないと大きなリスクとなってしまいます。面接予定の企業名のをきちんと覚えるようにしましょうね。
聞き手にまわる
このましい第一印象を与えることに失敗するのは、注意深く相手のいうことを聞かないからだ(後略)
出典:人を動かす D・カーネギー (著), 山口 博 (翻訳)

面接では上手に話そうと心掛ける人は多いのですが、「面接官の話を上手に聞こう」と心掛けて面接にのぞむ人は少ない印象があります。
- 適度な相づち
- アイコンタクト
- 「メモを取ってもよろしいでしょうか?」と聞いてメモを取る
- 「〇〇ということでよろしいでしょうか」と確認や質問をする
- 笑顔で返事をする
- 正しい姿勢で話を聞く(×猫背)
などなど、「面接官の話をきちんと聞いていますよ」というサインを示すことが非常に重要です。
模擬面接をして面接対策する時、想定質問に対する回答の仕方の練習はしても、面接官の話を一生懸命聞いて好感度を上げるための練習をしている人は少ないと思います。
ですが、話す以上に「聞く態度」は非常に重要です。
良くある失敗
自分のことは一生懸命話をするのに、面接官の話を適当に聞いているように見えたり。
面接官からの質問の意図を理解できなくて、ズレた回答をしてしまったり。
熱意を伝えようとするあまり、一方的に話し過ぎて面接官を置いてきぼりにしてしまったり。
自分の話ばかりで前のめりになってしまい、「相手の気持ちを考慮できない自分本位な人物」だと誤解されてしまったり。

いずれも「聞く姿勢」が出来ていないことから生じる問題です。
自分について伝えることも大切ですが、それ以上の熱意を持って面接官の話を聞くように努めてみてください。
その結果

相手の話をきちんと聞いて受け止めることの出来る人だなぁ
と面接官に伝わり、好印象を得られると思います。
話し方を訓練しても、なかなか結果が付いてこなかった人は、一度、話の聞き方をチェックしてもらってください。

予想以上の成果を得られるかもしれませんよ!
関心のありかを見抜く
もしわたしが彼の関心が何にあるか知らず、最初に彼の興味を呼び起さなかったとしたら、とても、あんなにたやすくは近づきになれなかったことでしょう
出典:人を動かす D・カーネギー (著), 山口 博 (翻訳)

面接では「面接官が聞きたいこと」を話題する意識が大切です。
面接官が面接で候補者について確認したいこと。
それは「候補者が企業にとって必要な労働力を持っているか」です。
労働力とは
◎業務スキル
◎体調管理スキル
◎コミュニケーションスキル
労働力とは、上記3つのスキルに分解できると考えています。
面接官が求める労働力の中身は企業や配属部署によって異なってきます。
そのため面接では、相手が求める労働力を保有している候補者かどうかを質疑応答を通じて確認しようとします。
つまり、面接官は「候補者が求める労働力を持っているか」を確認したいため、候補者自身の労働力について話題にすることが大切です。
特に障害者雇用の面接では、労働力の中でも「体調管理スキル」につながる「障害理解」について問われることが多いです。
障害の特性や症状に伴う対処策について説明が出来ないと、体調面の安定は難しいと考えられているからです。

そのため、障害理解の深さや、体調面の安定については、面接の中できちんと説明しておいた方が良いですね。
就職活動中の障害者の方から、就職相談として面接で話す話題について

趣味の話で盛り上がったりしてもいいんですか?
と聞かれることがありますが、コミュニケーションスキルを見せる上で、趣味の話題で盛り上がることも良いかと思いますが、面接では候補者の労働力を確認するという目的があるため、できれば労働力(特に体調管理スキル)を説明する方向で話を広げた方が有益です。
したがって、趣味の話題になっても、その話が候補者の体調安定に関する内容ならプラスとなりますが、候補者自身の体調管理とは関係なく、むしろ、体調悪化の要因になるような話ですと、かえってマイナスです。
朝散歩、ヨガ、筋トレなど運動習慣
×アニメや動画鑑賞が好きで、たまに夜更かししてしまい睡眠リズムが乱れる
体調面を懸念してしまうような話題になるのもマズイのですが、あまり労働力とは関係ない話題が続いたり、一方的な話で面接時間が過ぎてしまうと

確認したいことが分からず、不安が残ってしまった…
ということになり、そのせいで見送りになってしまう恐れもあります。

面接では「自分が話したいこと」ではなく、「面接官が聞きたいこと」に焦点を置いて話を進めるように意識してくださいね。
心からほめる
人間は、だれでも周囲のものに認めてもらいたいと願っている。(中略)見えすいたお世辞は聞きたくないが、心からの賞讃には飢えているのだ。(後略)
出典:人を動かす D・カーネギー (著), 山口 博 (翻訳)

面接を行う場合、いきなり選考に関する質問から入らず、まずはアイスブレイク(緊張感をほぐすこと)として雑談を挟む面接官もいると思います。
初対面で会話をする際にもし面接官から雑談を振ってくるようでしたら、何か一つでも応募先の企業の良い点を話題に出すと場がほぐれやすいと思います。
あるいは、志望動機を語る際にも、応募先の企業の特色が自分にとって魅力的であることを伝えられた方が印象は良いですね。
とはいえ、見えすいたお世辞は返って軽い印象になって良くないので、できれば企業の事業内容や理念に関係することで共感した点に触れると良いと思います。
チェックポイント
企業が提供する製品やサービスが世の中でどんなことに役に立っているのか?
どんな人たちにどんな価値を与えているのか?

掘り下げれば自分もその会社から何か価値を得ている可能性もありますね。
あるいは、自分が大切にしている価値観と、応募先が大切にしている価値観に共通点がある可能性もあります。
ゼロから褒めようとすると、どうしても無理やりな感じが出てしまいますが、少しでも自分に関係することで共感し魅力的だと伝えられることをホームページ等から見つけておくと良いですね。
面接官としては、きちんと事前研究をしてくれた志望度の高い候補者だと考えますし、自社について魅力的な部分に触れてくれたことで好印象を持ちます。
「企業研究」と聞くと、応募先の企業について理解することだと思いがちですが、企業について理解をした上で、どんなアウトプットにつなげるかというゴールを意識して下調べをしておくことが大切です。

「何か共感できること、魅力的だと伝えられることはないかな?」という視点を持って、面接にのぞむ前に準備しておくことをオススメしますね。
人を説得する十二原則
議論をさける
議論したり反駁したりしているうちには、相手に勝つようなこともあるだろう。しかし、それはむなしい勝利だー相手の好意は絶対にかち得られないのだから(後略)
出典:人を動かす D・カーネギー (著), 山口 博 (翻訳)

転職理由を伝える時に面接官を納得させようと議論になってしまう候補者もいますね…

本当にうちの会社はブラックで、どうしようもない職場環境だったんです!

最悪な上司でパワハラを受けていたんです!
もちろん、おっしゃることは事実なんだと思います。
ただ、面接官としては、主観的な見方だけではなく、客観的な見方も取れる方かを確認したいですし、あまりに職場環境の批判ばかりを聞かされると、他責的な印象を持ってしまいます。

確かにヒドイ職場だったけど、自分にも何かできたかもしれない…

若さゆえの未熟さもあったかな…
そんなふうに思うことも難しいくらい本当に厳しい職場もあると思いますが、それでも「自分にも何かできたかもしれない」と自分の責任も考えておくことが大切です。
面接官に退職理由を伝えた時

あなたにも何か出来たことがあったんじゃないですか?
といった質問が入ることもあります。
正直、不愉快な質問だと思いますが、そこで議論をして面接官に事実を分からせたとしても、面接官からの好印象は得られません。
不本意かもしれませんが
今振り返れば、自分にも未熟な点があったと反省しています
そんなふうに自身の責任も認めるような発言をした方が言い合いにならず、さらりと退職理由の話は流され、自身をアピールするための話題に移ることができると思います。

面接時間は限られています。
仮に30分の面接時間のうちの半分を費やして退職した理由について、いかに自分に非が無かったかを説明しても、実際の現場を見ることができない面接官からすると「ずっと過去の職場の批判を繰り返している候補者」という印象が強くなり、有益とは思えません。
面接の目的は面接官と議論をして納得させることではなく、「一緒に働きたい」と思ってもらえることです。

議論を避け、面接官からの好感を得ることを優先しましょう。
誤りを指摘しない
相手が明らかにまちがったことを主張しても、すぐそれに反対し、相手の誤りを指摘することをやめた。そして、『なるほどそういう場合もあるだろうが、しかしこの場合は、少し事情がちがうように思われるのだが…』というぐあいに切り出すことにした。こうして、今までのやり方を変えてみると、ずいぶんと利益があった。(後略)
出典:人を動かす D・カーネギー (著), 山口 博 (翻訳)

障害者雇用の面接で障害について説明する時、面接官から誤解されることもあると思います。
そんな時

あなたの認識は間違ってますよ!
という態度で指摘してしまうと、正しい知識は伝わるかもしれませんが、面接官からの好印象を得られることは難しいかもしれません。
だれもが誤りを指摘されることは気分の良いことではなく、認めたくないものです。
同じ障害でそういう症状の方もいるかもしれませんが、私の場合、こういう症状がありまして…
という感じで面接官の顔をつぶさず分かりやすく説明できれば、面接官も素直に理解を深めることが出来ると思います。
チェックポイント
面接官の場合、身体障害、知的障害、精神障害と様々な障害のある候補者と面接を行う必要があり、どうしても知識に偏りが生じてしまうことがあります。
面接官自身も、上司と一緒に面接にのぞみながら、「障害についてきちんと理解できているだろうか」と不安に思いながら面接官をしているケースもあります。
そんな面接官に対して、「あなたの理解は間違ってますよ」というニュアンスでストレートに指摘してしまうと、面接官も気分は良くないと思います。
面接の目的として、障害について理解をしてもらって適切な配慮を得ることはありますが、それと同じくらい面接官から好印象を持ってもらい、一緒に働きたいと思ってもらうことがあります。

面接官の気分を害さず、説明する言い方を心掛けてみてくださいね。
誤りを認める
自分が悪いと知ったら、相手にやっつけられる前に自分で自分をやっつけておいたほうが、はるかに愉快ではないか。他人の非難よりも自己批判のほうがよほど気が楽なはずだ。
出典:人を動かす D・カーネギー (著), 山口 博 (翻訳)

面接で転職理由を聞かれて説明する時、面接官から指摘が入ることがあります。

そんな理由で辞めてしまうなんて…
とでも言いたげな様子で、どうしてなんですか?と深堀質問をされると、ついつい言い訳のような流れになってしまう。
ただ、中には本当に「若気の至り」というか、もう少し慎重に判断すればよかったなと反省すべき退職理由もあったりします。
そんな時は、上手な説明をして納得してもらおうとせずに

今振り返ってみると未熟だったなと反省しています…

もう少し慎重に判断すべきでした…
と自ら非を認める形で反省の弁を述べてしまうのもひとつの選択肢です。
自らを正当化しようとする姿勢に映ってしまうと、「他責的な考え方で、反省しないタイプかもしれない」と思われ、かえって厳しい追及をされてしまいます。
そうなるよりは、自ら「反省しています」と伝え、今後は反省点として生かし、腰を据えて長期就業をしたいと考えている旨を前向きに伝えた方がよほど得策と言えます。

面接ではなんでもかんでも上手に説明して納得してもらわなくとも、振り返った時に少し反省点があるような理由の場合は、自ら反省の気持ちを伝えてしまった方が印象が良いケースもありますね。
おだやかに話す
人をむりに自分の意見に従わせることはできない。しかし、やさしい打ちとけた態度で話しあえば、相手の心を変えることもできる。
出典:人を動かす D・カーネギー (著), 山口 博 (翻訳)

面接官は候補者の「攻撃性」を非常に慎重に確認しています。
- 転職理由や退職理由
- 過去の人間関係でのトラブル
- ストレスを感じた時の気持ち
など、面接での質問を通じて、相手の攻撃性を判断しようとしています。
少しでも「イライラする」などの攻撃性を感じるエピソードを確認すると、お見送りにする面接官もいます。
面接官によっては、少しストレスを感じるような質問をして候補者の攻撃性を確認しようとするケースもあります。

もう少し自分でも出来たことがあったんじゃないですか?

もっとこうしたらよかったと思いませんか?
そんな質問を受けた時も

確かに未熟だったかなと反省しています。
など、おだやかに返すことが大切です。
むきになって言い返してしまうと

(攻撃性があるな…)
という判断で見送りになってしまう恐れがあります。

面接でストレスに感じるようなやり取りがあっても、おだやかに話を進めることを心掛けてくださいね。
残りの内容はぜひ本書を読んでみてくださいね!
今回のブログ記事では「デール・カーネギー」の超ロングセラーの名著「人を動かす」を引用して、自身の面接官としての視点を加えて考察してみました。
残りの「人を説得する十二原則」の内容や、他のパートである「人を変える九原則」、付録である「幸福な家庭をつくる七原則」も必読の内容となっています。

本書には今回ブログで引用した箇所以外にも大変有益な内容が盛りだくさん!ぜひ一度本書を購入して読んでみてくださいね!すっごく役に立つ内容ですよ!
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